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以「盆」会友――中日国交正常化50周年を記念し 中国駐大阪総領事館が盆栽触れ合いDAYを開催
2022-06-15 23:55




6月10日午後、中国駐大阪総領事館と春花園BONSAI美術館は、大阪万博記念公園で「中日国交正常化50周年特別記念 以盆会友 盆栽触れ合いDAY」を開催、日本国宝級盆栽大師で春花園BONSAI美術館創設者の小林國雄氏による盆栽パフォーマンスや来場者との交流が行われました。薛剣総領事、溝畑宏大阪観光局理事長、青柳明雄大阪府日中友好協会理事長、大藪二朗日中友好協会常務理事兼大阪府日中友好協会副会長、鞠文永中国国際貿易促進委員会駐日本総代表・在日中国企業協会副会長、石澤毅中国駐大阪観光代表処首席代表、中国人留学生代表、さらに地元の日本人100人余りが今回のイベントに参加しました。中華⼈⺠共和国駐⼤阪総領事館、春花園BONSAI美術館が主催し、公益財団法人大阪観光局、大阪府日中友好協会、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が後援しました。

佐藤茂樹衆議院議員、逢沢一郎衆議院議員、松下新平参議院議員、長野耕平岸和田市長、福岡洋一茨木市長、申洪良中国盆景芸術家協会常務副会長・盆器専門委員会主任、上海市盆景賞石協会の郭新華氏、清華大学建築学院景観学部の李樹華教授より祝電をいただきました。





薛剣総領事は、開会の挨拶で次のように述べました。盆栽芸術は中国の唐で生まれ、平安時代に日本に伝わりました。長い歴史的変遷を経て、両国の盆栽芸術はそれぞれの発展を遂げ、制作理念や技法などにおいて多くの特徴を持ち、世界に名を馳せる文化であり、中日文化が互いに影響し合いながら交流してきた証でもあります。「一盆一世界(一つの盆栽は一つの世界)」で、小さな盆栽の中には、自然の美に対する人々の憧れやこだわりが秘められており、さらに言えば、東方文化における生命観や宇宙観のユニークな表現方法となっています。中国の盆栽は「以小見大(小を以って大を見る)」を尊び、日本の盆栽は「形小相大(小さいものを大きく見せる)」を尊びます。いずれも一部から全体を、小事から大事を見てとることを指しており、小さな物事からでも大きなエネルギーが生まれることを強調しています。今年は中日国交正常化50周年を迎え、両国関係は複雑で厳しい状況に直面しているものの、中日友好は大勢の赴くところであり、人心の向かうところです。中日友好に役立つ、どんなに小さなことでも、一つ一つ着実にやっていけば、必ずそれが積み重なって大きな勢いとなり、全体を動かすことのできる巨大な力となるでしょう。日本の皆さんにも今回のイベントを機に、中日友好の重要な意義についてご理解・ご実感いただき、中国や中国文化にさらに親しんで、積極的に中日民間事業に取り組み、両国関係の改善と発展に力をお貸しいただければと思います。



今回のイベント会場として1970年に大阪万博が開催された万博記念公園を選んだのには、今回のイベントと大阪万博との特別な繋がりと期待が込められています。大阪万博期間中、日本庭園では日本の盆栽作品が展示され、世界的な盆栽ブームを巻き起こしました。本日は、当時展示された1億円の盆栽作品と、大阪万博のランドマーク「太陽の塔」をデザインした岡本太郎氏がインスピレーションを得たといわれる水石「忘却」を特別にご用意しています。3年後には、再び大阪で万博が開催され、中国も出展します。中日の盆栽専門家が交流を深め、中日共同制作の盆栽作品を展示することで、両国共通の伝統文化の記憶を蘇らせ、中日両国を含む世界各国からの来場者たちに東方文化特有の美しさをお披露目できることを心より願っています。



来賓代表の溝畑大阪観光局理事長は、挨拶の中で次のように述べました。今回のイベントは日中両国に共通する盆栽文化を切り口に、両国文化芸術と民間交流に焦点を当てて、日中国交正常化50周年を記念する大変ユニークなものです。大阪観光局は、芸術・文化の分野にも積極的に取り組んできており、世界各国からより多くの芸術家を大阪に呼び込みたいと思っています。6月10日から、日本は外国人観光客の受け入れを再開しました。これが日中両国の人的往来を促進し、特に新型コロナの終息後に、より多くの中国人観光客が日本へ、大阪へ来て、日本独自の文化の魅力を直接感じられるようになることを願っています。



来場者からの盛大な拍手に包まれて登壇した小林氏は、盆栽の歴史的伝承から文化的内実、さらにはそこから映し出される人生哲学など、多彩な内容を語ってくれました。「日本の盆栽文化の起源は中国にあり、800年以上前の日本の歴史文献に盆栽図や盆栽の芸術価値や制作理念に関する記載があります。私は中国の盆栽芸術界と20年以上の付き合いがあり、100回以上中国を訪問して、30人以上の中国人の弟子がいて、互いに強い絆で結ばれています。本日のイベントに参加できたことを本当に嬉しく思います。今の情勢においては、双方が盆栽等の各分野でさらに交流・協力を進めることで、互いへの理解や友好を深めていくべきです」。




「もう80近いですが、毎日、朝から晩まで15時間盆栽と向き合います。それが楽しくて、元気ハツラツです」。そして手に持っていたハサミを掲げて「このハサミで、東京に10億円の盆栽美術館を建てました」と誇らしげに言いました。また、小林氏は盆栽の雰囲気を演出できる掛け軸や、薛剣総領事が挨拶の中で触れた、人の顔を持つ水石「忘却」を紹介、来場者からは「とても神秘的」「神業としか思えない」等の声が上がりました。




盆栽が大切にしているのは空間と線と重厚な美しさであり、その制作過程には根気強さと創造性が必要です。小林氏は盆栽作りの道具を手に取り、叩いたり切ったり、巻いたり折ったりしながら、盆栽制作のデモンストレーションを行いました。彼の手にかかれば、盆栽もあっという間に、その形や雰囲気がシャープになり、趣が凝縮された作品となり、会場からは大きな拍手が送られました。さらに小林氏は、薛剣総領事を壇上に招いて、ともに盆栽を完成させ、興奮して言いました。「これは私が中国の外交官と一緒に作った最初の盆栽作品です」。







来場者との交流セッションでは、小林氏が全員に問いかけました。「盆栽を育てるには、日光、空気、水のほかに、もうひとつ重要な条件がありますが、それが何か分かりますか?」一人の女性から「愛情」という答えがあり、それを聞いた薛剣総領事は言いました。「これは私たちの外交にも通じるところがあります。心に愛がなければ、外交の仕事は上手くいきません」。この言葉をきっかけに、来場者全体から拍手が沸き起こり、会場のムードは最高潮に達し、全員が頷きながらその言葉に賛同していました。



イベントの後半は、来場者による盆栽制作体験を行いました。小林氏の丁寧な指導のもと、全員が枝葉の切り方から曲線の付け方にいたるまで、一つ一つの作業を真剣に細かく進めていきました。ほとんどが初心者でしたが、それぞれに納得のいく作品を作ることができました。それまでは、「遠くから眺めるだけで触れてはいけない」高尚な芸術作品だった盆栽を、身近に感じる貴重な体験を通じて、「盆栽ってこんなに楽しいんだ!」と実感できたようです。



イベント終了後、多くの若い日本人来場者から、次のような声が聞かれました。今回のイベントで初めて日中両国の間に盆栽という素晴らしい共通の文化資産があることを知りました。盆栽文化を間近で学び、体験できることはとても貴重な経験で、多くの収穫がありました。悠久の歴史を持つ盆栽文化など、日中共通の伝統文化が今の時代に新しい輝きを放つことで、両国民、特に若い世代が日中民間友好の新しい歴史の1ページを刻むための力になることを願います。








 
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