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第5回西日本地区中日友好交流大会における薛剣総領事の挨拶
2022-08-02 16:15

尊敬するご来賓の皆様、友人の皆様

こんにちは。中国駐大阪総領事の薛剣です生命力に溢れる仲夏オンライン・オフラインの形で皆さんと集えること、そして5回西日本地区中日友好交流大会開催を通じて、ともに中日国交正常化50周年を祝えることを大変嬉しく思います。お忙しい中、本日の大会にご出席くださった皆様に、中国駐大阪総領事館を代表し、心より歓迎と感謝を申し上げます。

2015年5月23日、北京の人民大会堂で開かれた中日友好交流大会に出席し習近平主席は、重要演説の中でこう指摘されています。「中日友好の基盤民間にあり、中日関係の前途は国国民の手に握られている」。この重要演説の精神に導かれ、私たちは5年前、中日国交正常化45周年を記念し大阪で初の西日本地区中日友好交流大会を開催双方が友好を語らい、信頼を深め、確信を強め、協力を推進するための重要なプラットフォームを構築しました。この数年間、私たちはこのプラットフォームを通じて、ともに友好の伝統を広め友好の種を蒔き、大きな成果をあげてきました。

私たちは今年、中日国交正常化50周年という節目の年を迎えました。新型コロナの影響で私たちのプラットフォームも一時的に活動を控えていましたが、各方面の皆様のご支持のもと、特に西日本地区日中友好協会や中日友好協会のご尽力のおかげで、本日ついにコロナ禍を克服し、オンライン・オフライン同時開催という形で今回の友好交流大会を開催することができました。本日、大阪のメイン会場には、西日本地区から日本の各界の皆様や中国の在日僑胞・留学生代表合わせて200人以上がお集まりくださいました。オンラインの方でも、日本各地の友人の皆様や中日友好協会、そして中国共産党中央対外連絡部、中華全国青年連合会、中華全国婦女連合会、中国国際友好連絡会、中国社会科学院、中国宋慶齢基金会など、中国の主対日交流窓口部門の責任者をはじめ、中国全土の30以上の地方政府の外事弁公室や友好協会代表参加くださっています。中日友好に熱い思いと信念を持私たちは、この機会を借りて、ともに過去50年における中日関係の非凡な発展を振り返り、さらに次の50年中日関係発展に向けて助言や提案を行い、両国の国民に中日友好の堅持と発展という力強い時代の声を届けていきます本日の大会が、私たちを大いに鼓舞し、自信を倍増させ、中日関係に力強い原動力を注入してくれることを期待し、確信しています。

 ご来賓の皆様、友人の皆様

本日の大会は、中日国交正常化の初心に立ち返るための振り返りです。どれほど遠くまで歩いても、その来た道を忘れてはいけません。皆さんも会場に入られる際、外の廊下に設置された国交正常化50周年記念の写真展をご覧になったことでしょう50年前、中日両国の一世代前の指導者や各界の有識者たちは、強い政治的責任感と優れた政治的知恵をもって、あらゆる困難を克服し、ともに中日国交正常化の実現を推し進め、27年間続いた正常でない状態を正式に終結させ、両国の善隣友好協力という新たな歴史を切り開きました。西日本地区は、中国との交流の歴史が長く、人口に膾炙する歴史的エピソードを数多く残しています。また、国交正常化の実現を促進するため、この地区の各界、特に友好団体や友人の皆さんは、民間先行、民を以て官を促すことを貫き、重要な主導的役割を果たしてきました。西日本地区は今なお、両国人文交流の重要な舞台実務協力の前線であり続けています。私たちの管轄区内だけで80組以上の友好都市関係が樹立され、幅広い分野で多種多彩な友好交流を展開し、経済貿易における実務協力をリードし、中日関係の発展を力強く支え続けてくれています。この50年の両国の目覚しい発展の成果を振り返ると、両国の先人たちの偉大な功績をより強く実感し、深い感謝の気持ちが沸き上がってきます。

本日の大会は、中日関係の今後のより良い発展について話し合う重要な機会でもあります。100年に一度の大変革と新型コロナの世界的流行が重なる今、中日関係も複雑で厳しい局面を迎えており、前進しなければ後退してしまう重要な岐路に立たされています。しかし、情勢がどのように変化しようとも、中日両国が重要な隣国であり、互いに切っても切れないほど深く依存し合っている基本的な事実は変わりません。そして、中日両国の平和・友好・協力が両国及び両国民、アジア世界にもたらす重要な価値は変わりません。さらに、中日両国国民の平和・友好・協力求める核心的な要求は変わりません。今この時、私たちはともに両国の官民各界に呼びかけるべきです。国交正常化の初心を、そして平和・友好・協力こそが最も効果的で信頼性のある最大の安全保障だという真理を胸に刻み、両国関係が正しい軌道に沿って着実に前進するよう力を尽くしましょうと。

今回の大会のテーマは「これからの50年、中日友好の更なる発展を目指して」です。王毅国務委員は昨年の北京-東京フォーラムに出席した際、「双方より明確かつ徹底的に両国関係発展の正しい方向を把握することで、次の50年の発展の展望をより力強く切り拓いていくべきだ」と指摘しています。風雪を駆け抜けてきた中日関係50年の歴史は、私たちに多くの貴重な知見やヒントを与えると同時に、汲み取るべき教訓や警告残してくれています。昔から「五十にして天命を知る」と言いますが、中日関係の「天命」一体何なのか、今後どう歩むべきなのか、私たちはそれを真剣に考え、ともに模索していくべきです。中国駐大阪総領事として、本日は民間・地方の角度から、新しい情勢下の中友好の取組みについて、私なりの考えや思いについて皆さんと共有・思考してみたいと思います。

第一に、政治的主張をはっきりさせることです。中日友好の本質は政治的であり、政治から切り離されたことは一度もありません。当時、国交正常化を推進したのは政治であり、今、両国関係の改善や発展を支えるのもまた政治です。政治を避けて友好を語ることは現実的でなく、長続きしません。中日関係は、政治において境界線とボトムラインを持っています。たとえ地方の民間レベルの友好活動であっても、規則に従って取組み、中日間の4つの政治文書定められた原則精神を守り、ともに両国の指導者が達した政治的共通認識の具体化に力を尽くし、両国関係の政治的基盤維持に注力すべきです。両国関係が新たな岐路に立たされた今、私たちはより主体的・意識的に政治的角度から物事を考え、情勢を把握し、取組みを推進することで、より多くの人が両国関係の長期的発展に真に役立つ正しい判断と選択をできるよう導いていかなければなりません。

第二に、正々堂々と友好を語ることです。内外の様々な要因が重なり、ここ数年日本国内の対世論や民意はますます複雑で厳しいものとなっており、中日友好を支持する声が弱まり続ける一方で、中日友好を攻撃する声が絶えず聞かれ、双方にとって有益極めて当たり前の実務協力でさえ、少数政治勢力の中傷攻撃の対象になっているものもあります。これは明らかに異常な状態で、私たちはどこへ向かうべきなのか、しりごみするかそれとも堅持か、この問題をはっきりさせない限り、状況は悪化するばかりです。平和友好協力は、中日両国の隣国としての唯一正しいつきあい方であり、双方にとって国と国民に利益をもたらす素晴らしいことで、プラスのエネルギーです。私たちは自ら心の口に出せない」のジレンマから抜け出し、より積極的・主体的に前に出て、このいたってシンプルな道理を人々にきちんと伝え、平和・友好・協力の旗を高く掲げ、正をもって邪を正し、邪は正に勝たずの状態を少しずつ作っていきましょう。

第三に、末端組織に深く入り込み大衆と触れあうことです。日本国内の中情勢から見れば、現在の中日関係の問題は明らかに官の上層にありますが、その解決の鍵は民の草の根にあるのです。再び民間交流の火を灯し、勢いよく燃え上がらせ氷点に近い日本国民の対中感情を一定のレベルまで回復させてこそ本当の意味での官」を実現し、両国関係よりよい方向に進めることができます。そのためには、中日友好の取組みの重心をさらに下へ、草の根に分け入り、大衆を動かす必要があります。私も、昨年6月末の赴任以降、様々な試みや模索をしているところです。農作業をしたり、海で牡蠣漁をしたり、工場で「一日大工」体験をしたり、今週はまた、奈良県と阪南市で現地の小学生や地元の方々と一緒に田植え作業をする予定です。このような交流は、地味かもしれません。でも、時間が経つにつれて、多くの人がそれに関われば、それが積み重なって大きな勢いとなり、新しい局面を切り拓く力となるでしょう。

第四に、過去のものを今に活かし、共通認識を高めることです。中日両国2000年もの間、互いに交流し学び合い、切っても切れない人文的歴史的つながりを形成し、数え切れないほどの歴史的遺産を残してきました。これらは、祖先が残した私たちの共通の遺産であり、現代において両国国民の友情を育み、新しい時代の友好事業を発展させるための独自のリソースであり、重要な足がかりでもあります。しかし現状、これらのリソースや足がかりは十分に活用されることなく、その多く休眠状態です。私たちは、継続的な探求革新によって両国国民の思想文化宗教芸術などの精神面における共通点や共感できる部分を深く掘り下げ、まだ広く知られていない多くの「眠れる資産」を呼び覚まし、活性化し、有効活用することで、再びそこに時代の価値を与え、両国の人々の心の距離を縮める強い人文的な絆を形成しましょう。

第五に、事実に即した理解を促進することです。隣国同士のつきあいに、矛盾や相違はつきものです。大切なのは、互いに善意の姿勢で誠意をもって相手にし続けることです。一時的に解決できない問題は、対話によってそれをコントロールし、大局に影響を及ぼさないようにすべきです。今、中日両国の国民のでは、客観的で正確な情報の不足により、相互の誤解が深まっています。特に顕著な問題は、日本の中国に対する認識と事実との間に深刻なタイムラグとズレが存在していることです。この問題解決には、事実に即し、事実の声を聞いてもらうことが必要不可欠です。そため、当館では昨年下半期から14回にわたり、『中国を理解する』オンラインセミナーシリーズを開催し、管轄区内の日本の皆さんに中国の生の情報触れる機会を設け、成果を上げています。私たちは、コロナ収束後に、両国の人々が互いに相手国を訪れ交流を強化し、ともに中日友好の新しい発見の旅をスタートしてくれることを願っています。特に、日本の若い世代に、より多くの直接的な交流の機会を作り、彼らが中国の若者との交流の中で理解を深め、相互信頼を高め、友情を築くよう導き、より多くの中日友好事業の後継者を育てていきます。

ご来賓の皆様、友人の皆様

中国には「互いの誠意でできた良い関係こそ一番」という言葉があります。今日は三日月滋賀県知事もご来席ですが、滋賀県の近江商人にも「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)という有名な商いの伝統があります。中日関係でいえば、互いの誠意でできた良い関係」であれ、「三方良し」であれ、その根幹は、中国に良く、日本に良く、アジアに良く、世界に良くあるべきということです。昨年、習近平主席と岸田総理の間で得られた重要な政治的コンセンサスに基づき、ともに新時代の要求に合致する中日関係を構築し、安定した健全かつ強靭な中日関係を次の50年に引継ぎ、世界平和維持と共同発展の促進に果たすべき貢献をしようではありませんか。

最後に、皆さんに「中日友好、敬隣永安」の8文字を送ります。ご来席の皆さんは、当館が今大会のために特注した甘味を受け取られたことでしょう。この甘味は、中日関系50年の素晴らしさの象徴であり、次の50年の中日友好関系への切なる期待を託すものでもあります。皆さんにお持ち帰りいただき、ご家族や友人とその甘味を分かち合いながら、そこに込められた意味を味わっていただきたいと思います。改めて、本日の大会にご出席くださったこと、そして中国駐大阪総領事館の様々な取組みへの日頃のご支援に感謝申し上げます。中日両国の益々の発展、両国民幸せ、そして皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

 
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