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「一九四六」神戸展開会式における薛剣総領事の挨拶
2022-08-31 18:41


ご臨席の皆様、友人の皆様

  こんにちは。中国駐大阪総領事の薛剣と申します。本日、中日国交正常化50周年記念の一環として、「一九四六」神戸展が盛大に開催されることとなりました。まず中国駐大阪総領事館を代表し、安斎代表をはじめ、この度の展示の開催のためにご尽力ご支援を下さった多くの方々に、心から感謝と敬意を申し上げます。

  中国遼寧省にある魯迅美術学院の王希奇教授の大作「一九四六」は、日本軍国主義による中国侵略戦争が終わった直後の1946年から1948年の間、中国遼寧省葫芦島市から100万人を超える中国残留日本人居留民と捕虜が送還される様子を描く絵画作品です。当時は戦争が終わったばかりの時期だったが、中国に筆舌に尽くせない災難と苦痛をもたらした敵国日本の残留国民に対し、中国人民は報復するどころか、寛大な人道主義の精神に基づき、様々な困難を克服し、多くの財力、物力、人力を投入し、残留日本人の送還事業にできる限りの協力をしました。のちに国共内戦が起こり、情勢が一段と厳しくなっても、この支援を止めることはありませんでした。戦争被害国が加害国に対し、こんなにも「徳を持って怨みに報いる」ことをしたのは、世界的に見ても極めてまれなケースだろうと思います。

  歴史を忘れてはいけません。それは憎しみを持ち続けるためではなく、歴史を鑑とし、未来に向かうためです。平和を守るためです。第二次世界大戦後、日本国内では、侵略戦争の教訓を銘記し、平和発展の道を歩もうと主張し、多大なご努力を払われた有識者の方々が多くおられました。客観的に見て、戦後70年以上の間、日本は平和国家として発展し、近隣諸国と無事平和な関係を築き、また維持し、発展させてきたのは事実で、評価されるべきことです。

  同時に、日本の一部にはあの戦争が中国を含む地域の国々にもたらしたか損害と苦痛の大きさについては十分に認識されず、被害偏重の歴史認識が多く、更に誤った歴史観に基づく消極的な言動が被害者の感情を傷つけることが度々あったのも事実だと言わざるを得ません。また、正しく戦争の教訓を語る人も減る一方で、受け継ぐべき歴史の記憶がどんどん風化してしまっています。本当に憂慮すべきことです。

  歴史とりわけ近代以降の歴史を正しく対処することは、中日関係を発展させる重要な政治的前提と基礎であります。今年は中日国交正常化50周年に当たります。日本側にはぜひ国交正常化50周年をきっかけに、歴史の真実に向き合い、歴史の教訓をしっかりと汲み取り、過去の過ちを二度と繰り返さず、平和発展の道を堅持していくことを再確認するよう期待します。

  王希奇先生のこの作品からもわかるように、戦争に勝者はいません。国民が苦しみを強いられるだけです。平和友好こそが中日にとって最も効果的で信頼できる安全保障です。しかし、平和友好は自然と手に入るものではなく、それを構築・維持・発展するためには、多大な努力を払わなければなりません。特に、現在世界が百年に一度の大変革にあり、国際情勢が新たな混乱期に突入し、国交正常化50周年を迎えた中日関係もその影響で複雑な状況になっている中、我々はより一層努力し、人類運命共同体構築という崇高な目標を掲げ、互いに敬意を持って接し、中日平和友好の信念を国民の間に深く根付かせ、社会の主流的民意、国の政策決定における主たる要素に育てていかなければなりません。こうすればこそ、中日間の「恒久的な平和友好関係」がはじめて確立できると思います。

  そういう意味で、今回の「一九四六」絵画展は実に素晴らしい企画だと思います。ぜひより多くの方々特に若い世代がこの絵の展示を通じて、戦争の真実を知り、正しい歴史認識を確立し、中日平和友好の信念を強めていくことを期待しています。

  結びに、絵画展のご成功と参加者の皆様のご健勝ご多幸をお祈り申し上げます。本日は誠におめでとうございます。

 
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