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「七・七事件を忘れない」座談会での薛剣総領事のスピーチ
2024-07-09 09:58

尊敬する友人の皆様

 こんにちは。中国駐大阪総領事の薛剣です。今日は「七・七事件(盧溝橋事件)」87周年という特別な日です。今回、各界の有識者を集めて座談会を開いてくださった伊関要様にまず感謝を申し上げたいと思います。私自身もこの機会で、皆さんと交流・討論できることをとても嬉しく思います。

 87年前の今日、中国に侵攻していた旧日本軍による北平(今の北京)南西部に位置する盧溝橋への攻撃は、日本軍国主義者の中国への全面的侵略戦争の発動を象徴するものでした。そこから、中国の人民たちは奮起し、全民族による抗戦を開始しました。1931年の九・一八事変から丸14年という歳月をかけ、軍民合わせて3500万人の犠牲という甚大な代償を払った末に、反ファシズム戦争は、ようやく勝利を収めました。

 日本軍国主義者によるあの侵略戦争は、中国人民と日本人民の両方に大きな苦難と悲しみに満ちた歴史の記憶をもたらすとともに、反面教師として中日両国民の平和への不断の希求を促進しました。ご在席の石田隆至先生による新中国の戦犯裁判についてのご研究でも、十分にそのことが示されています。1950年代の対日戦犯裁判において、中国は人道主義的で寛大な処置を講じる道を選び、死刑や無期懲役を一例たりとも出さず、独自の思想教育を通じて戦犯たちが反省し罪を認めるよう促しました。最終的には、多くの日本人戦犯が進んで自らの罪を告白し心を入れ替え、帰国後は、さかんに反戦・平和活動に取り組むまでになりました。平和外交理念の指導のもとで行われた新中国の戦犯裁判は、「平和の破壊者」を「平和の擁護者」へと転身させ、中日関係史における美談の一つとなっています。

 平和外交は、新中国成立以降、常に堅持してきた基本原則です。70年前に打ち出した平和共存五原則から、改革開放の時期に掲げた平和発展の道の堅持、調和のとれた世界の建設などの重要理念と主張、そして新時代に入ってから習近平主席が打ち出した人類運命共同体構築の推進という重要理念に至るまで、中国は常に、世界平和の維持と人類の共同発展の促進を外交政策の宗旨としています。中国は「平和発展の道を堅持する」ことを憲法に明記した唯一の国であり、国連安保理常任理事国の中で最も多くの平和維持部隊を派遣している国であり、核保有国の中で、核兵器の先制不使用及び非保有国に対する核の不使用を最初から明確に約束した唯一の国でもあります。建国から75年間、中国は、その実際の行動を以って、平和外交の忠実な提唱者、実行者、貢献者となりました。

 先週、平和共存五原則発表70周年記念大会が、北京で盛大に開催されました。習近平主席は大会での演説の中でこう強調していました。即ち、「中国の平和発展の道を歩む決意も、各国との友好協力の決意も、世界の共同発展を促進する決意も変わることはない」。70年前、中国は一部のアジアの国と手を携え、ともに平和共存五原則を提唱し、「国同士の関係にどう対処すべきなのか」という重大な命題に、正しい答えを導き出しました。そこから時代は進み、国際情勢も大きく変化しましたが、中国はこれからも常に平和共存五原則を発揚し、各国と手を携えて人類運命共同体の構築を推進し、世界の平和を守り、共同発展を促進すべく、さらなる新しい貢献をしていく所存です。

 人類社会は、これまでの100年間に2度の「熱戦」と1度の「冷戦」を経験しましたが、その痛ましい歴史を経てなお、一部の国はそこから十分な教訓を得られていないようです。今、いまだに進行しているウクライナ危機やパレスチナ・イスラエル紛争がなかなか終結しない根本的原因は、いずれも間違った歴史観にあるように思います。一部の国は、自由の表看板を掲げながら、身勝手に歴史の真相を抹殺し、正義や平和の原則を反転させています。更には、ある国は至る所で火に油を注ぎ、混乱に乗じて漁夫の利を手にしています。日本でも一部政治人物が「台湾有事は日本有事」「今日のウクライナは明日の東アジア」などと、やたらに緊張を煽り、軍備拡充を声高に訴えています。これは明らかに歴史の教訓と平和への誓いを忘れ、国そして国民を再び火の海へ突き落としている行為です。日本が未来に向かって、周辺諸国と平和友好的に付き合っていくには、しっかりと歴史の科目を補習しなければならないと思います。

 世界情勢が揺れ動く今、中日両国は、地域ひいては全世界に重要な影響を及ぼす国同士として、手を携えて人類の平和・発展事業に取り組んでいくべきです。平和・友好・協力は中日両国民の根本的利益に合致する、双方の唯一正しい付き合い方です。ここで私の3つの考え方をご紹介したいと思います。第一に、歴史を鑑とすることです。先人たちの経験した戦火の苦しみを決して忘れてはいけません。歴史の教訓を心に刻み、ようやく手にした、この今の平和をこれまで以上に大切にし、冷戦という誤った道や熱戦という破滅の道へ進んではいけません。平和・友好の堅持こそ、最もコスパの高い、最も信頼できる安全保障だと理解しなければなりません。第二に、敬隣永安を堅持することです。互いが選択した発展の道を尊重し、「求同存異」という東洋の知恵をもって矛盾や食い違いをコントロール・解消し、両国指導者の「戦略的互恵関係の全面的推進」という重要な共通認識を具体的行動に落とし込んでいかなければなりません。第三に、運命共同体を構築することです。中日両国は地理的にも近く、文化の縁で通じ合い、血縁的にも近く、利益も融合し合っており、とうの昔から実質的な運命共同体なのですから、ともに使命と責任を担い、各国が肩を並べて試練に挑み、共同繁栄を実現できるよう推進していきましょう。

 本日ご来場の皆様は、それぞれ活躍される分野は異なりますが、一つの共通点があります。それは、全員が平和の愛好者、友好の擁護者、真実の守護者、正義の支持者であるということです。私たち一人一人の力は弱いかもしれませんが、しっかりと信念を貫き、ともに正しい道を歩み続けて行けば、一人一人の小さな力は、やがて必ず大きな時代の流れへと育ち、世界の平和・安定・繁栄を私たちの手で実現できるに違いありません。

 それでは、引き続き、皆さんとの交流・討論を楽しみにしています。

  ありがとうございました。


 
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