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「初心を振り返り、未来を展望――一つの中国原則を堅持」特別シンポジウムでの薛剣総領事の基調講演
2024-05-22 13:14

友人の皆様

 おはようございます。本日は、ようこそ「初心を振り返り、未来を展望――一つの中国原則を堅持」特別シンポジウムへお越しくださいました。心より感謝申し上げます。

 台湾問題は、中日関係における最も敏感な問題の一つで、中日関係の政治基盤や両国間の基本信義に関わっているものであります。しかし、実際には、台湾問題の歴史的経緯や、一つの中国原則の中身、そして国交正常化交渉の過程で台湾問題をめぐり日本が行った厳粛な約束について、あまり理解されていない日本人の皆さんも結構いらっしゃいます。本日は、いくつかの問題を通して、皆さんとともに台湾問題の経緯を明らかにしながら、中日国交正常化の原点に立ち返り、両国が国交正常化の際に交わした大切な約束について改めて振り返っていきたいと思います。

 第一の問題は、台湾問題がどのように生まれたかということです。

 台湾が古くから中国に属していることは歴史的経緯からも、法的事実としても、はっきりしています。歴史的に見れば、中国人が最初に台湾を開発し、今の台湾住民の祖先も、その大多数が中国大陸からの移民でした。過去には、外国による植民地支配の期間も少しありましたが、殆どの期間において中国政府の有効な統治下に置かれていました。明末清初の民族的英雄、鄭成功がオランダの侵略者を駆逐し、台湾を取り戻した歴史は、中国人なら誰もが知っている事実です。

 法的事実としては、1895年4月、日本が日清戦争を発動し、敗戦した清国政府に不平等な『下関条約』を締結させ、台湾と澎湖諸島を割譲させました。日本による全面的な中国侵略戦争の発動後、中国政府は1941年12月、日本に宣戦布告、「一切の条約、協定、契約について、中日関係に関わるものは、これを一律廃止する」こと、そして台湾、澎湖諸島の奪回を宣言しました。日本に占領された領土を奪回するという中国の厳正な要求は、世界中の反ファシズム勢力から尊重と支持を得ました。1943年12月、中・米・英の三カ国が『カイロ宣言』を発表、その趣旨は、東北、台湾、澎湖諸島など日本が盗取した中国領土を、中国に返還することでした。この立場は、1945年7月の『ポツダム宣言』でも繰り返され、改めて確認されました。同年9月、日本は『降伏文書』に調印、「ポツダム宣言の条項に定められた義務を忠実に履行する」ことを約束しました。10月25日、中国政府は「台湾に対する主権行使の回復」を宣言、台北で「中国戦区台湾省受降式」を行いました。こうして、国際法の効力を持つ一連の文書によって、中国は法的にも事実的にも台湾を取り戻したのです。

 抗日戦争に勝利して間もなく、中国では内戦が起こりました。1949年10月1日、中華人民共和国中央人民政府が成立、中華民国政府に取って代わり、中国全土を代表する唯一の合法政府となり、敗退した国民党政府は台湾へ逃れました。中国の内戦継続や外部勢力の干渉によって、海峡両岸は長期にわたる政治的対立という特殊な状態に陥ってしまいました。ここから生じたのが、台湾問題なのです。

 台湾問題は、中国の内戦が残した、中国の内政問題です。1949年以降、台湾海峡両岸は未だ統一されていませんが、中国の主権と領土一体性が切り離されたことはなく、今後もそれは決して許されません。中国領土の一部であるという台湾の地位が変わったことはなく、今後もそれは決して許されないのです。

 第二の問題は、中国政府は台湾問題をどう解決していくかということです。

 「平和統一、一国二制度」は、台湾問題解決における中国政府の基本方針であり、国家統一を実現する最良の方法です。台湾の現状が十分に考慮されており、統一後の台湾の長期的安定にもプラスに働くものです。

 「平和統一」は、台湾の同胞を含む中華民族全体の利益に最も合致し、中国の長期的かつ安定的な発展に最も有利なもので、台湾問題解決における中国政府の第一の選択肢です。習近平主席も指摘されている通り、私たちが追求するのは形式的な統一だけでなく、両岸の同胞同士の心が通じ合うようにすることです。この数十年、多くの困難や阻害に遭遇してきましたが、私たちは決してブレることなく、平和統一を目指してきました。これは、民族の大義、同胞の幸福、そして海峡両岸の平和を大切にし、守り抜きたいという私たちの思いを体現するものです。

 「一国二制度」は、平和統一を実現すべく、中国政府が考案した重要な制度です。両岸の平和統一を実現するには、大陸と台湾社会の制度やイデオロギーが異なっているという基本的な問題に向き合わなければなりません。「一国二制度」は、この問題を解決するために提起された、最も包括性に富んだ提案です。平和統一後、台湾は祖国大陸とは異なる社会制度を実施し、法に基づく高度な自治を行うことができ、二つの社会制度を長期的に共存させて、ともに発展していこうというのが、私たちの主張です。「一国二制度」の台湾における具体的実現形態は、台湾の現状を十分に考慮し、両岸各界の意見や提案を十分に吸収し、台湾同胞の利益と感情に十分配慮するものとなります。

 両岸における制度の違いは、統一の障害ではなく、分裂の口実になるなどもってのほかです。時間をかけていくほどに、「一国二制度」が多くの台湾の同胞に見直されていくことを、また、両岸の同胞がともに平和統一の実現に取り組む中で、「二制度」における台湾側の案にも十分な空間と内実が与えられる、私たちはそう信じています。

 中国政府が武力で台湾問題を解決するのではという問題について、始めに申し上げておきたいのは、海峡両岸にいるのは同胞同士であり、中国人が中国人を攻撃することはないということです。私たちは、これからも最大限の誠意と最大限の努力を尽くして、平和統一を目指していきたいと考えています。しかし、もし外部勢力の干渉があったり、或いはごく少数の「台湾独立」分裂勢力が台湾を分裂させようと、所謂「台湾独立」を企てたりするならば、14億の中国人民も、人民解放軍も決してそれを許しません。主権問題において、中国が武力行使の放棄を約束することはありえないのです。

 第三の問題は、国際社会が台湾問題をどう見ているかということです。

 1971年の第26回国連総会で、決議2758号が採択され、「中華人民共和国にそのすべての権利を回復させ、その政府の代表を国連における中国の唯一の合法的代表と認め、かつ、蒋介石の代表を国連およびそのすべての関連機関において非合法に占めている議席から即時追放すること」が決定されました。決議には、中華人民共和国政府が、国連において台湾を含む全中国を代表する唯一の合法政府であること、台湾が一国家ではないこと、台湾が中国領土の一部であること、台湾が主権実体ではないこと、中国の国連における議席数は一つしかなく、「二つの中国」も「一中一台」も存在しないことが明確に示されており、一つの中国原則が確認されています。

 一つの中国原則は、国際社会の普遍的な共通認識であり、国際関係の基本準則を守る上でのしかるべき道義です。国連及びその専門機関は、台湾問題において一つの中国原則に従い、国連の公式文書では、台湾を「中国台湾省」と称しています。国連事務局の法律事務所が出した法的意見でも、「国連の考えでは、台湾は中国の一省であり独立した地位を持たない」「台湾当局は、いかなる形の政府地位も持たない」と強調されています。日本やアメリカを含む世界183カ国が、一つの中国原則に基づき、中国と外交関係を結んでいます。今年の初め、ナウルが一つの中国原則を認め、台湾当局とのいわゆる「外交関係」を断絶し、中国との外交関係を回復したことは、改めて、一つの中国原則が、人心の向かうところ、大勢の赴くところであるということを十分に示しています。

 先般、100余りの国と国際機関が、台湾地区の選挙後に、様々な形で一つの中国原則への厳守、中国の国家主権と領土一体性への確固たる支持、あらゆる形式の「台湾独立」への反対、中国の統一事業への支持を改めて確認してくれました。これらの正義の声、平和の声は、国際社会が国連憲章と国際関係の基本準則を断固守り抜くという幅広い共通認識を体現するものです。

 第四の問題は、日本は台湾問題においてどんな約束をしたかということです。

 台湾問題はかつて、中日両国の国交正常化における交渉の焦点であり、最大の障害でした。新中国成立後、日本政府は米国の支配下で、長い間、中国を敵視する政策をとっていました。1952年、日本政府は米国の圧力のもと、台湾当局といわゆる「平和条約」を締結し、「外交関係」を樹立し、「二つの中国」を作り、中日関係の正常化に大きな障害をもたらしました。1970年代以降、中国の国連における合法的議席の回復や、米ニクソン大統領の中国訪問により、中米関係が正常化への扉を開いたことで、与党を含む日本の各政党、各界から中日両国の国交回復を求める声が、かつてないほど高まりました。

 このような状況から、中国は中日国交回復について、三つの基本原則を掲げました。一つ目は、世界には一つの中国、つまり中華人民共和国しかないということ。中華人民共和国政府が、中国の人民を代表する唯一の合法的政府であり、「二つの中国」や「一中一台」「一つの中国、二つの政府」などというでたらめな主張は認められないというものです。二つ目は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であり、すでに中国に返還されているということ。台湾問題は、中国の完全なる内政問題であり、外国からの干渉は許されず、「台湾地位未定論」や「台湾独立」の陰謀画策には、断固反対するというものです。三つ目は、「日台条約」は違法かつ無効なもので、撤廃されなければならないということです。

 1972年9月、当時の田中角栄首相が訪中し、周恩来総理と、4日間にわたり4回会談し、中日国交正常化に関わる一連の重要問題について交渉を重ねましたが、そのうち3回が台湾問題についての話し合いでした。度重なる交渉を経て、双方は「三原則」遵守という大前提のもと、国交回復をすることを約束しました。

 9月29日、両国政府首脳は『中日共同声明』に調印、そこには明確に次のように宣言されています。「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」。大平外相は日中共同声明の調印直後に北京で記者会見を開き、「日中関係正常化の結果として、日台条約は存続の意義を失い、終了したものと認められる」と正式に宣言しました。同日、台湾国民党当局も、日本との「断交」を宣言しました。

 1978年に締結された中日平和友好条約では、改めて「声明」の各原則が確認され、両国の立法機関の批准を経て、日本側のこの約束が、政治的約束から法律的拘束へと格上げされました。その後も、両国が締結する政治文書の中で繰り返され、確認され、日本の数多くの指導者の方々によって、「一中一台」「二つの中国」を認めない、「台湾独立」を支持しないことが公の場で示されてきました。一つ一つの文字が千鈞の重みをもつ政治文書と厳粛かつ荘厳な約束こそが、中日関係の過去50年余りに渡る全体的に安定した発展を実現するための強固な政治基盤を打ち立ててくれたのです。

 第五の問題は、台湾海峡の真の現状はどう、そしてその現状を変えようと企んでいるのは誰かということです。

 今、多くの人が台湾海峡の「現状」を維持すべきだと言い、中国が台湾海峡の現状を変えようとしていると非難し、台湾海峡の緊張情勢の責任を中国のせいにしていますが、これは完全に白黒逆転していることです。現状とは何でしょう。事実はこの上なく、はっきりしたものです。それは、海峡両岸が同じ一つの中国に属し、台湾は中国領土の不可分の一部であり、両岸は長期に渡り政治的対立があるものの、中国の国家主権や領土一体性が、切り離されたことはないということです。これが、台湾海峡の真の現状であり、昔から今まで変わっておらず、また今後も変わることのない現状です。

 一体誰が台湾海峡の現状を変えようとし、誰が台湾海峡の緊張情勢をエスカレートさせているのか、少しでも分別のある方ならば、誰の目にも明らかなはずです。それは主に2つの勢力に集中しています。

 元凶は、「台湾独立」分裂勢力です。台湾の民進党当局は「台湾独立」分裂の立場を堅持し、「独立」を謀る挑発を繰り返しています。彼らは一つの中国原則を受け入れず、「92年コンセンサス」を歪曲・否定し、「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」との妄言を放ち、公然と「両国論」を打ち出しています。また、島内で「脱中国化」「漸進的台湾独立」を推進し、「急進的独立」勢力が「憲法・法律の改正」推進を騒ぎ立てるのを容認し、台湾の民衆を欺き、大陸敵視を扇動し、両岸の交流や協力を破壊・妨害し、「武力による独立画策」や「武力による統一の拒否」を進めています。さらに、外部勢力と結託し、国際社会に「二つの中国」「一中一台」の機運を醸成しようと企んでおり、最初から最後まで台湾海峡に波風を立て続けるトラブルメーカーなのです。

 そして、共犯者として外部干渉勢力があります。一部の西側諸国は、覇権的心理と冷戦的思考から、中国を最も重要な戦略的競争相手・かつてないほど長期的チャレンジと見なし、封じ込めや弾圧に余念がなく、「台湾をもって中国を制す」動きが、ますます激しさを増しています。その代表格である米国は、中米両国の3つの共同コミュニケに示された「台湾とは非公式の関係のみを維持する」「台湾への武器売却を段階的に縮小し、一定期間のうちに最終的解決に導く」との約束を破り続け、米指導者であるぺロシ下院議長ら高官の台湾訪問を繰り返して容認し、台湾地区の正・副指導者の米国「立ち寄り」を手配し、台湾向け武器売却の規模や性能を向上させ続け、バイデン政権期間中だけで13回もの台湾向け武器売却を承認しています。また、ここ数年は、「台湾関係法」や「六つの保証」など、米国側が一方的にでっち上げ、中国側が最初から認めず断固反対しているものを、公然と米国の所謂一つの中国政策の中に組み入れています。さらに、台湾当局との結託を強化し、台湾海峡で武力を誇示することで、「台湾独立」分裂勢力を後押ししているのです。

 その中で、日本も非常にマイナスな役割を果たしています。事実として、日本は台湾問題において非常に不名誉な歴史を残しています。日本の軍国主義は、侵略戦争によって台湾及び澎湖諸島を強制的に占領し、半世紀にわたり台湾を植民地支配し、数えきれないほどの罪を犯し、台湾の人々を苦しみの渦に陥れたのです。日本は台湾人民を含む中国人民に対して、歴史的罪を背負っていると言えるでしょう。しかし、日本は罪を償わないばかりか、逆に「台湾独立」を後押しし続けています。特にここ最近、日本の台湾問題におけるネガティブな動きは後を絶ちません。公式文書で大いに台湾海峡情勢を論じ、何かにつけて「台湾海峡の平和と安定を守る」と発言し、南西諸島における軍事力配備を強化し、台湾への「防衛協力」を声高に叫び、沖縄離島住民の「避難計画」を策定しています。また、日本の政治家からも、台湾関連のネガティブかつ危険な発言が頻繁に聞かれるようになります。元首相の安倍晋三氏は「台湾有事は日本有事」と公言し、自民党副総裁の麻生太郎氏は講演で「『台湾有事』は必ず起こり、日本の存立危機事態になる」と公言しています。また、日本の国会議員は続々と台湾へ訪問し、その人数は去年だけですでに100人を超え、それに対して訪中人数わずか十数人です。さらに、地方政府の要人は、台湾への植民地意識が残っており、「日本は旧宗主国として台湾に対する責任を放棄してはならない」などと主張しています。先般、頼清徳氏が台湾地区の指導者に選出されましたが、彼のように「実務的台湾独立工作者」と自称する「台湾独立」人物に対し、日本政府が公式に祝意を表明したことは、対外的に大いに誤ったシグナルを送ってしまっているのです。

 これら様々な誤った言動は、中国の内政への著しい干渉に他なりません。そしてそれは、台湾海峡の現状を変えようとしているのは中国ではなく、日本側は公然と国際ルールと自らの約束に背き、度重なる新たな行動をとり、台湾独立勢力を助長させ、台湾海峡の平和と安定を乱していることを十分に証明するものでもあります。日本が本当に台湾海峡の平和と安定を願い、世界の安全保障と繁栄に心を配るのなら、一つの中国原則を厳守し、「台湾独立」分裂活動に反対し、中国の国家統一を支持すべきではないでしょうか。海峡両岸が統一されれば、台湾海峡もおのずと平和安定を取り戻すことができるのでしょう。

 ここ数年、日本国内では台湾問題において2つの論調が勢いづいていますが、この機会に、これらの論調がいかにでたらめなものであるかを解き明かしていきたいと思います。

 一つは、「今日のウクライナは明日の台湾」という論調です。ウクライナ危機の勃発以降、ウクライナと台湾を比較し、台湾を放置すれば「ウクライナの今日が東アジアの明日だ」と主張する人がいますが、これには、論理性のかけらもありません。台湾問題とウクライナ問題には、本質的な違いがあり、比較できることは何もありません。両者の最も根本的な違いが、台湾問題は完全なる中国の内政問題であり、ウクライナ問題はロシアとウクライナの二国間紛争であるということです。ウクライナ問題では主権の原則を強調しながら、台湾問題では中国の主権と領土一体性を損害し続けているのは、露骨なダブルスタンダードに他なりません。台湾問題とウクライナ問題という、本質的に異なる問題を同列に論じる裏には、台湾に国際法上の主体性を与え、両岸関係を国家間関係だと曲解し、「二つの中国」「一中一台」機運醸成を画策する下心が隠されており、実際にはウクライナ危機に乗じて注目度を高め、国際社会の関心を買い、「台湾独立」を声高に叫び、支持しようという企みがあるのではないでしょうか。

 もう一つが、「台湾有事は日本有事」という論調です。一時期以降、日本の与党上層部を含む、一部の政治屋たちが頻繁に「台湾有事は日本有事」だと騒ぎ立て、中国はこれに何度も反論してきました。台湾は中国自身の事であり、日本には関係ありません。この論調は、中国の内政と日本の安全保障を公然と結びつけ、国際関係の基本準則を無視し、中日間の4つの政治文書の原則に背くものであり、でたらめできわめて危険なものです。もし、日本が自国の前途・運命を、中国分裂という名の戦車に縛り付けるのなら、それは日本に破滅的な災難をもたらし、日本国民にも思わぬ禍が降りかかってしまうことでしょう。

 友人の皆さん、

 52年前、両国の前世代の指導者たちは、非凡な知恵と勇気をもって、互いの政治体制、イデオロギー、社会制度の違いを乗り越え、歴史問題、台湾問題などの重大な原則的問題への対処について重要な了解と共通認識に達し、国交正常化を実現すべく、その障害を一掃しました。そこから50年余り、中日関係は紆余曲折を経ながらも、双方が経験や教訓を汲み取り、4つの政治文書と一連の重要な共通認識に達し、各種の矛盾や相違に対処するための根本的指針を確立し、中日関係が総じて正しい軌道に沿って着実に前進するよう推進してきました。

 国交正常化から52年が経った今、中日関係は過去を引き継ぎ未来につなぐ重要な岐路にさしかかっており、新旧さまざまな問題が複雑に絡み合いながら顕在化し、両国関係の改善・発展の行く手に、多くの困難をもたらしています。しかし、両国関係の政治基盤が揺らぐようなことがあってはいけません。そうでなければ、困難な道、回り道を歩むばかりか、取り返しのつかない道を進んでいくことになってしまいかねません。私たちが本日、ここで台湾問題の経緯を振り返るのは、国交正常化の初心に立ち返り、歴史の経験や教訓から学び、中日関係をさらなる高みへ、さらなる広がりへと推し進めていくためです。そのために必要なことについて、私の考えをいくつか、皆さんとここで共有したいと思います。

 第一に、事実を直視することです。台湾問題の経緯は、非常にはっきりしており、一つの中国原則の法的根拠も十分確かなものです。今日においてなお、「台湾地位未定論」「台湾問題は世界的問題」「一つの中国、それぞれが解釈」を吹聴するのは、完全に別の意図を持つ、悪意ある言動です。しかしそれは、誰かをミスリードすることも、中国の完全なる統一過程を邪魔することもできません。中国の統一は必須であり、必然でもあります。日本側はこれをしっかり認識・判断し、中国人民の国家主権と領土一体性を守る決意・意志・能力を見くびったり、非現実的な幻想を抱いたり、もっと言えば、中国の負けに賭けたりすべきではありません。

 第二に、信義を重んじ、約束を守ることです。信義を固く守ることは、中日両国の付き合いにおいて、永遠に変わらず、永遠に肝に銘じるべき基本原則です。日本は、中国との国交正常化交渉の際に、台湾問題について厳粛な政治的約束をし、『中日共同声明』にもその証拠を残しました。国交正常化交渉を終えた時、周恩来総理が両国関係の未来に寄せた「言必信、行必果(言ったからには約束を守り、行なう以上はやり遂げる)」の言葉に、田中角栄首相は即座に「信を万事の本と為す」と書き記し、これに応えました。『中日共同声明』は、中日国交正常化の「歴史的原点」であり、今日においてなお、両国関係が守るべきものを私たちに考えさせてくれる「精神的原点」でもあります。『中日共同声明』など中日の4つの政治文書の原則と精神と日本側がこれまでに約束してきたことを、骨抜きにする理由はなく、違反するなどもってのほかであり、約束当時そのままに、少しのズレも無く厳守していかなければなりません。そうでなければ、両国関係の発展は、源のない水、根のない木となってしまうことでしょう。

 第三に、言動を慎むことです。約束を守るなら、言葉と行動を一致させなければなりません。日本は台湾問題に言及する度に、「1972年の日中共同声明の立場に変わりはない」と言いつつ、その具体的文言を述べることを意図的に避け、その後、台湾問題において、妄言や小細工を続けています。総領事館業務エリア内の一部の政治家は「地方交流」「経済交流」「文化交流」を表看板に、何度も台湾に足を運んでおり、日本の言い分が実際には一つの中国原則を骨抜きにするための隠れ蓑や口裏合わせなのではないかと疑わざるを得ない状況です。これは典型的な二枚舌で、裏表のあるやり方です。日本は、自らの約束を具体的政策や行動にしっかり落とし込むべきであり、台湾を独立国家、政治的実体であるかのように接してはならず、いかなるレベルの地方交流を含む台湾とのいかなる形の公式の接触・往来もすべきではありません。そうでなければ、必ず互いの政治的信頼を傷つけ、二国間関係の政治基盤を揺るがすことになってしまいます。

 数日後には、台湾地区の新たな指導者頼清徳氏が、いわゆる「就任式」を行います。総領事館業務エリアの自治体責任者、議員の皆様には、決して台湾で式典に出席したり、公に「祝辞」を述べたりせず、実際の行動によって、一つの中国原則を守るという約束を履行するよう、厳正に要望します。また、ご在席の皆様には、ご自身の影響力を十分に発揮し、より多くの日本の皆さんに台湾問題についての正しい認識を持ち、自ら一つの中国原則を堅持・支持してもらい、ともに「台湾独立」分裂行為や外部勢力の干渉に反対することで、一日も早く両岸が平和統一を実現し、アジア太平洋、ひいては世界平和に貢献できるよう、積極的に声を上げていっていただければ幸いです。

 ありがとうございました。


 
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