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国家・政治制度・行政区画
2009-02-10 12:39

  

  国家機構  

      

  中華人民共和国憲法によれば、中国の中央国家機構は主に全国人民代表大会とその常務委員会、国家主席、国務院、中央軍事委員会、最高人民法院、最高人民検察院の6つからなっている。  

      

  国家主席、国務院、中央軍事委員会、最高人民法院、最高人民検察院の構成員はいずれも全国人民代表大会によって選出されるとともに、全国人民代表大会とその常務委員会に対し責任を負う。  

     

  全国人民代表大会とその常務委員会  

     

  全国人民代表大会は最高国家権力機関である。全国人民代表大会と地方の各クラス人民代表大会はいずれも民主的選挙によって選出される。  

      

  全国人民代表大会は省、自治区、直轄市、特別行政区、軍隊の選出された代表からなる。各少数民族はいずれも適当な代表数を占めている。  

      

  全国人民代表大会は国の立法権を行使し、憲法を改正し、憲法の実施を監督し、基本的法律とその他の法律を制定、改正している。国の行政機関、裁判機関、検察機関、軍事機関の責任者を選出、決定するとともに罷免する権限を持つ。憲法と法律を基準として、政府の仕事を監督し、国の重要事項を審議、決定している。全国人民代表大会によって設置された国の行政機関、裁判機関、検察機関、軍事機関およびその他の国家機関はいずれもそれに対し責任を負い、その監督を受けている。  

      

  全国人民代表大会の任期は一期5年であり、毎年1回全国人民代表大会常務委員会を招集し会議を開いている。  

      

  全国人民代表大会常務委員会は全国人民代表大会の常設機関であり、全国人民代表大会によって選出され、全国人民代表大会の閉会期間に最高国家権力を行使している。全国人民代表大会常務委員会は委員長、副委員長、秘書長、委員からなる。  

     

    国家主席  

      

  中華人民共和国主席、副主席は全国人民代表大会によって選出される。全国人民代表大会は国家主席、副主席を罷免する権限がある。国家主席、副主席の任期は全国人民代表大会の任期と同じで、続投任期は2期を超えてはならない。  

      

  国家主席は全国人民代表大会とその常務委員会の決定に基づいて、法律を公布し、国務院総理、副総理、国務委員、各部部長、各委員会主任、会計検査長、秘書長を任免し、国の勲章と栄誉称号を授与し、特赦令を発布し、緊急状態を宣言し、戦争状態を宣言し、動員令を発布する。国家主席は国を代表して公式活動を行い、外国の使節を受け入れる。全国人民代表大会常務委員会の決定に基づいて、外国駐在の全権代表を派遣、召還し、外国との間で締結した条約と重要な協定を批准、廃棄する。  

     

  中国の歴代国家主席は、毛沢東、劉少奇、宋慶齢(名誉主席)、李先念、楊尚昆、江沢民の諸氏である。  

      

  現任の国家主席は胡錦濤氏。  

     

  国務院  

      

  国務院、つまり中央人民政府は、最高国家権力機関の執行機関であり、最高国家行政機関である。国務院は全国人民代表大会およびその常務委員会に対し責任を負い、その活動を報告する。  

     

  国務院は総理、副総理、国務委員、各部部長、各委員会主任、会計検査長、秘書長からなる。  

      

  憲法が国務院に与える職権は、行政立法権、法案提出権、行政指導権、経済管理権、外交管理権、社会管理権および全人代とその常務委から委託、授与されたその他の職権などがある。  

     

  歴代国務院総理は周恩来、華国鋒、趙紫陽、李鵬、朱鎔基の諸氏である。  

      

  現任の国務院総理は温家宝氏。  

      

  国務院は弁公庁を設置している。同弁公庁は秘書長によって指導され、国務院の日常活動を担当している。現任の国務院秘書長は馬凱氏である。  

      

  国務院は機構改革を続けているが、現在の主な機構は次の通り。  

      

  国務院を構成する27部門:外交部、国防部、国家発展改革委員会、教育部、科学技術部、工業情報化部、国家民族事務委員会、公安部、国家安全部、監察部、民政部、司法部、財政部、人力資源社会保障部、国土資源部、環境保護部、住宅都市農村建設部、鉄道部、交通運輸部水利部、農業部、商務部、文化部、衛生部、国家人口計画出産委員会、中国人民銀行、会計検査署。  

     

  国務院直属の特設機構:国有資産監督管理委員会  

      

  国務院直属機構:税関総署、国家税務総局、国家放送映画テレビ総局、国家体育総局、国家統計局、国家工商行政管理総局、国家新聞出版総署(国家版権局)、国家林業局、国家品質監督検査検疫総局、国家安全生産監督管理総局、国家知的財産権局、国家観光局、国家宗教事務局、国務院参事室、国務院機関事務管理局の15機構。  

     

  国務院の事務機構:国務院華僑事務弁公室、国務院香港澳門事務弁公室、国務院法制弁公室、国務院研究室、国務院台湾事務弁公室、国務院新聞弁公室の6機構。  

     

      

  国務院直属の事業体:新華通信社、中国科学院、中国社会科学院、中国工程院、国務院発展研究センター、国家行政学院、中国地震局、中国気象局、中国銀行業監督管理委員会、中国証券監督管理委員会、中国保険監督管理委員会、国家電力監督管理委員会、全国社会保障基金理事会、国家自然科学基金委員会の14事業体。  

      

  国務院の各部委員会が管理する国家クラスの局:国家信訪(投書陳情)局、国家食糧局、国家煙草専売局、国家外国専門家局、国家海洋局、国家測量製図局、国家郵政局、国家文物局、国家漢方医薬管理局、国家外国為替管理局、国家炭鉱安全監察局、国家書類保存局、国家機密局の13局。  

     

  中央軍事委員会  

      

  中華人民共和国中央軍事委員会は国の最高軍事指導機関であり、全国の武装力を指導している。中央軍事委員会は主席、副主席若干名、委員若干名からなる。中央軍事委員会主席の任期は全国人民代表大会の任期と同じであるが、任期の制限がない。  

     

  中国の武装力は中国人民解放軍、中国人民武装警察部隊、民兵からなる。  

      

  胡錦濤氏は中華人民共和国中央軍事委員会の現任の主席である。  

     

  最高人民法院  

     

  人民法院は国の裁判機関である。国は最高人民法院、地方各クラス人民法院、軍事法院などの専門法院を設置している。  

      

  最高人民法院は中国の最高裁判機関であり、全国人民代表大会とその常務委員会に対し責任を負うとともにその活動を報告する。最高人民法院は法律に依拠して独自に最高裁判権を行使し、行政機関、社会団体、個人の干渉を受けない。  

      

  憲法と法律の規定によると、最高人民法院の主な職責は次の3つである。全国に重大な影響を及ぼす案件、高級法院の判決、裁定に不服の上訴案件および最高人民法院が自ら審理すべきであるとする案件を審理する。地方各クラス人民法院および軍事法院など専門法院の裁判の仕事を監督し、地方各クラス人民法院と専門法院の誤審判決を取り消すとともに、審理を決定するかまたは再審を指令する。裁判の過程で法律を具体的に使用する問題に対し司法解釈を行う。この司法解釈は全国で執行されなければならない。  

     

  最高人民検察院  

     

  人民検察院は国の法律監督機関である。国は最高人民検察院、地方の各クラス人民検察院および軍事検察院など専門人民検察院を設置している。  

      

  最高人民検察院は国の最高検察機関である。最高人民検察院は全国人民代表大会とその常務委員会に対し責任を負うとともにその活動を報告する。最高人民検察院は法律に依拠して最高検察権を独自に行使し、行政機関、社会団体、個人の干渉を受けない。  

      

  憲法と法律の規定に基づく最高人民検察院の主な職責は次の通り。地方の各クラス人民検察院と専門人民検察院の活動を指導する。汚職案件、賄賂案件、公民の民主的権利を侵害する案件、背任案件などの刑事案件を法律に依拠して直接受理するとともに立件して取り調べ、起訴するかどうかを決定する。法律に依拠して法院の裁判、刑事案件の取り調べの仕事を監督する。重大な刑事犯罪案件に対し、法律に依拠して逮捕許可と起訴を審査する。刑事案件の裁判に対し法的監督を行う。効力が生じているが、確かに誤りのある各クラス人民法院の判決と裁定に対し、法によって最高人民法院に控訴を提起する。法律に依拠して勾留管理矯正施設の仕事を監督する。検察活動の面で法律を具体的に適用する問題に対し司法解釈を行う。検察機関の対外交渉を組織し、関連する司法援助を展開する。 

 

  人民代表大会制度  

      

  人民代表大会制度は中国の根本的な政治制度であり、中国の政体である。「中華人民共和国憲法」は次のように規定している。中華人民共和国のすべての権力は人民に属する。人民が国家権力を行使する機関は全国人民代表大会と地方の各クラス人民代表大会である。1954年に開かれた第1期全国人民代表大会は、人民代表大会制度が中国で確立されたことを示すものである。  

      

  人民代表大会は主に立法、監督、人事の任免、重大事項決定の4つの職権を持っている。これは中国人民が人民代表大会制度を通じて国の主人公となる権利を行使するということを主に具現したものでもある。人民代表大会制度を堅持し、これを充実、発展させることは、中国の政治体制改革の重要な内容である。1978年の中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議の開催以来、人民代表大会制度はいちだんと充実し、発展した。  

      

  50年以上にわたる実践が立証しているように、人民代表大会制度は中国の国情に完全に合致し、全人民が国家権力を統一的に行使することを保障し、人民大衆の主人公としての積極性と能動性を引き出すこともできれば、国の政権機関が分担しながら協力し合い、歩調を合わせて社会主義建設を組織することにも役立つものである。  

     

  多党協力と政治協商制度  

      

  中国が実行している政党制度は中国共産党の指導下にある多党協力と政治協商制度である。この制度は中国共産党と民主諸党派が中国の長期にわたる革命、建設、改革の実践の中で共同して確立し、発展させてきたものであり、民主主義革命期に芽をはらみ、1949年の中華人民共和国成立後に確立され、1978年の中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議以後大きな発展を遂げたものである。  

     

  多党協力  

      

  中国の政党制度は西側資本主義諸国の多党制や二党制と異なり、また一部の国の一党制とも異なっている。その著しい特徴は、共産党が指導し、多くの党派が協力しあい、共産党が政権を担当し、多くの党派が政治に参与することである。民主諸党派は共産党と団結、協力する親密な友党と参政党であって、反対党や野党ではない。民主諸党派と協力する中国共産党の基本的方針は、「長期にわたって共存し、互いに監督しあい、肝胆相照らし、栄辱をともにする」というものである。中国共産党と民主諸党派はいずれも憲法を根本的な活動準則とし、民主諸党派は憲法が規定している権利と義務の範囲内の政治的自由、組織の独立、法律的地位の平等を享有している。中国の憲法は「中国共産党の指導する多党協力と政治協商制度は長期にわたって存在、発展する」と規定している。  

     

  中国の多党協力は主として次の6種類の基本的形式と内容を含んでいる。  

      

  一、中国共産党と民主諸党派が政治協商を展開する。中国共産党中央は重要な政策決定を行う前、一般的には民主諸党派の主要な指導者と無党派人士の代表を招いて協商会、座談会を開き、情況を知らせ、共に国是を協議し、意見を聴取する。  

      

  二、人民代表大会において民主諸党派のメンバー、無党派人士にその役割を発揮させる。民主諸党派のメンバー、無党派人士は全国人民代表大会、全国人民代表大会常務委員会とその専門委員会の中で適当な比率を占めており、現在、全国各クラスの人民代表大会代表となっている人は14万人を超えている。彼らは人民代表大会の活動を通じて民意を反映し、国の重要な政策決定に参与し、法律を制定し、政府を監督している。  

      

  三、民主諸党派のメンバーと無党派人士を推薦して各クラス政府と司法機関の指導的職務につかせる。現在、8000人以上が各クラス政府と司法部門で県処クラス以上の指導的職務を担っており、職務、責任、権限があり、共産党の幹部と互いに支持し合い、腹を割って話し合い、重要な役割を果たしている。  

      

  四、中国人民政治協商会議において民主諸党派に役割を発揮させる。民主諸党派は党派の名義で人民政治協商会議に参加し、意見を発表し、提案を行い、国の政治活動に参加し、政治問題を討議する。民主諸党派と無党派人士は政治協商会議委員、常務委委員、指導者の中で多数を占めている。  

      

  五、中国共産党と政府は、民主諸党派と無党派人士が多くのルートと形を通じて中国共産党と政府を民主的に監督する活動に参加するのを非常に歓迎している。たとえば、民主諸党派と工商業連合会で告発制度を確立したこと、民主諸党派のメンバー、無党派人士を招いて特約監察員、検察員、会計監査員、教育監督指導員、税務監察員、国土資源監察専門員を担当させていること、民主諸党派のメンバーと無党派人士を重大な案件の調査および税収検査などに参加させていることが挙げられる。  

      

  六、民主諸党派が改革開放と社会主義現代化建設の実践に参加するのをサポートする。中国共産党の指導下にある多党協力と政治協商制度の強みは、広範な民主的参与を実現し、各民主党派と各人民団体、各界の人たちの英知を集中し、政権党と各クラス政府の政策決定の科学化、民主化を促進することもできれば、集中と統一を実現し、各方面の利益と要求を配慮することもできること、一党政権に監督が欠如するという弊害を避けることもできれば、多くの政党が紛争を起こし、互いに争うことによってもたらされる政治の混乱や社会の不安定と不団結を避けられることにある。   

      

  2005年2月、中国共産党は「中国共産党の指導下にある多党協力と政治協商制度の建設を一段と強化することに関する中国共産党中央の意見」を発表した。同文書は、歴史的経験と成功したやり方の総括を基礎として、多党協力と政治協商の原則、内容、方式、プロセスなどをさらに明確にし、中国の特色を持つ社会主義政党制度をより健全にし、充実させる方向を明示している。  

     

  中国人民政治協商会議  

      

  中国人民政治協商会議第1回全体会議は1949921日から30日まで北平(当時の「北京」の名称)で開かれ、これまで全国委員会会議は11回開かれた。政治協商会議は中国人民愛国統一戦線の組織であり、中国共産党の指導下にある多党協力と政治協商の重要な機構であり、中国の政治活動の中で民主を発揚する重要な形でもある。  

      

  現行の人民政治協商会議規約によれば、中国人民政治協商会議全国委員会は中国共産党、各民主党派、無党派人士、人民団体、各少数民族、各界の代表、香港および澳門特別行政区の同胞、台湾同胞、帰国華僑同胞の代表および特別招請の人たちからなり、若干の種類の違いを設けている。中国人民政治協商会議は中央に全国委員会と常務委員会および提案、経済、人口資源環境、教育科学文化衛生スポーツ、社会法制、民族宗教、文学歴史資料、香港澳門台湾華僑、外事など9つの専門委員会を設け、地方には政治協商地方委員会を設けている。政治協商会議全国委員会の任期は一期5年であり、年に1回全体会議を開催する。中国人民政治協商会議全国委員会は主席、若干名の副主席、秘書長を設けている。  

      

  中国人民政治協商会議は政治協商、民主的監督、政治活動参加政治問題討議の職能を履行する。中国共産党と各クラス政府は政府の方針および政治、経済、文化、社会生活の重要問題について、政策を決定する前や政策を実施する過程で、人民政治協商会議で協商を行い、各方面の意見を広く聴取し、衆知を集め、有益な意見を広く取り入れている。これは中国共産党と各クラス政府が政策決定の科学化と民主化を実現するうえでの重要な一環である。  

     

  政治協商会議全国委員会の機関紙は1983年に創刊した『人民政協報』である。  

     

  民族区域自治制度  

      

  民族区域自治制度は中国の基本的な政治制度である。中国の民族自治地方は自治区、自治州、自治県の3つのクラスに分かれている。これまでに中国は155の民族自治地方を設立したが、その中には自治区が5、自治州が30、自治県(旗)が120ある。55の少数民族のうち、44の民族が自治地方を設立しており、区域自治を実行している少数民族の人口は少数民族人口総数の71%を占めている。同時に、中国はまた郷に相当する少数民族が集まって居住するところで、民族区域自治地方の補充形態として、1173の民族郷を設立している。人口がわりに少なく、集まって居住している区域も小さいため、区域自治を実行していない少数民族のうち、9民族が民族郷を設立した。  

      

  民族自治地方の自治権は憲法と民族区域自治法の保障を十分に受けている。民族自治地方は自主的に自民族やそれぞれの地区の事務を管理し、自治条例と単行条例を制定する権限を享有し、自民族の言語文字を使用し、それを発展させる権限を享有している。国は少数民族の宗教信仰の自由を尊重、保障し、各少数民族は自民族の習俗、習慣を保持または改革する権限があり、自主的に経済建設事業を計画、管理し、発展させ、教育、科学技術、文化などの社会事業を自主的に発展させることができる。  

      

  民族自治地方が発展を速めるのを支持し、サポートすることは、国の法的義務である。国は財政援助を絶えず増大し、生態系の整備と環境保全を重視し、特別措置を講じて民族自治地方の教育事業の発展をサポートし、少数民族の貧困地区に対する援助を強化し、社会事業への資金投入を増やし、対外開放の拡大を助け、発達した地域民族自治地方との間の対応支援を組織し、少数民族の生産と生活面の必要に配慮している。  

      

  50年以上の努力を経て、民族自治地方の生活環境は目に見えて改善され、経済と社会事業は迅速な発展を遂げ、民族自治地方の各民族人民は全国人民とともに、国の現代化建設がもたらした発展の成果を分かち合っている。実践が立証しているように、民族区域自治制度とその実践は大きな成功を収め、民族区域自治で中国の民族問題を解決することは、国情と各民族の共通の利益に合致した正しい選択である。  

     

  一国二制度  

      

  「一国二制度」の基本的内容は、中華人民共和国の国内で、国家の主体は社会主義を実行し、香港、澳門、台湾は資本主義を実行することであり、その目的は祖国の平和的統一を実現し、香港、澳門、台湾の安定と繁栄を保つことである。「一国二制度」は「1つの国という前提の下で2種類の制度を実行する」ことであり、「一国二制度」を認めるにはなによりもまず「一国」、すなわち中華人民共和国を認め、国家の主体が中国の特色をもつ社会主義を実行することを認めなければならない。「一国二制度」は中国の特色をもつ社会主義の重要な構成部分である。  

      

  台湾の地位の特殊性を考慮して、中国政府は「平和的統一、一国二制度」を台湾問題解決の基本的方針としている。つまり両岸が統一を実現した後、台湾の現行の社会経済制度は変わらず、生活様式は変わらず、外国との経済文化関係は変わらないことである。台湾は特別行政区となり、中国の普通の省自治区と違って、高度の自治権を享有し、台湾の行政管理権、立法権、独立した司法権と終審権を持つ。党、政府、軍隊、経済、財政などはいずれも独自に管理し、外国と商務、文化などの協定を結ぶことができ、渉外事務の処理で一定の外事権を享有し、自らの軍隊を擁し、大陸は軍隊や行政要員を台湾に駐在させない。特別行政区政府と台湾各界の代表はまた国家政権機構の指導的職務に就任し、全国事務の管理に参加することができる。  

      

  香港と澳門の祖国復帰は「一国二制度」の理論と実践をこの上なく豊富にした。「一国二制度」の方針は正しいものであり、強い生命力をもっていることを事実が立証している。  

     

  香港特別行政区  

      

  1997年7月1日、香港は150年にわたるイギリスの植民地支配に終止符を打って、祖国の懐に戻り、その時から「一国二制度」、「香港人による香港管理」、高度の自治という新しい歴史的時期に入った。  

      

  祖国復帰以来、中央政府は厳格に香港基本法に基づいて事を運び、香港特別行政区行政長官と政府が法によって政治を行うのをサポートし、香港の繁栄と安定を促してきた。今日の香港は依然として世界の自由港の特色と国際金融、貿易、海運のセンターとしての地位を保っている。  

      

  香港の祖国復帰の実践は、「一国二制度」の方針がまったく正しく、強い生命力を持つことを立証している。香港基本法は香港の実情に合致し、香港が繁栄と安定を保つ重要な保障である。香港同胞は香港を立派に管理する能力を完全に持っている。  

     

  澳門特別行政区  

     

  澳門は昔から中国の領土であり、19世紀後期にポルトガルの植民地主義者が侵入し、占拠された。19991220、澳門はスムーズに祖国に復帰した。  

      

  澳門の祖国復帰以来、中央政府は厳格に澳門基本法に基づいて事を運び、澳門特別行政区行政長官と政府が法律に依拠して政治を行うのをサポートし、澳門の繁栄と安定を促してきた。  

     

  台湾省  

      

  台湾は昔から中国の神聖な領土である。1945年に中国人民は抗日戦争の偉大な勝利を収め、海峡両岸の同胞は台湾が再び祖国の懐に戻る喜びをともに味わった。1949年に中華人民共和国が成立し、完全な主権を享有する中国が再び世界の東方にそびえ立つことになった。遺憾ながら、当時中国では内戦がまだ終わっておらず、それに外国が武力干渉を行ったため、台湾と祖国大陸の統一が実現できず、中国人民は海峡両岸の統一実現のために引き続き奮闘せざるを得なくなった。20世紀末期に、大陸部の改革開放事業は大きな成果をあげ、香港と澳門が相次いで祖国に復帰し、西側列強が中国の領土を侵略、占領する歴史に終止符が打たれ、祖国統一は大きな進展を遂げた。国内外の中華民族の子孫たちはなおのこと台湾問題の早期解決と祖国の完全な統一の実現をよりいっそう待ち望んでいる。  

      

  両岸関係の発展に対する大陸部の原則的立場は一貫した、揺るぎない、明確なものである。それはつまり、1つの中国の原則を堅持し、絶対に動揺しない、平和的統一を勝ち取るための努力は絶対に放棄しない、台湾人民に期待をかける方針を貫徹し、絶対に変えない、「台湾独立」をめざす分裂活動に反対し、絶対に妥協しないことである。広範な台湾同胞はわれわれの血を分けた兄弟であり、台湾同胞のためになること、両岸交流の促進のためになること、台湾海峡地域の平和維持のためになること、祖国の平和的統一のためになることであれば、大陸部は最大限の努力をかたむけて行い、そして必ず立派に行うように努力する。   

 

  行政区画  

     

    「中華人民共和国憲法」は、中国の行政区域を次のように分けると規定している。  

    1、全国を省、自治区、直轄市に分ける。  

    2、省、自治区を自治州、県、自治県、市に分ける。  

    3、県、自治県を郷、民族郷、鎮に分ける。郷、鎮は中国の最も末端の行政単位である。  

    直轄市とわりに大きな市を区、県に分ける。自治州を県、自治県、市に分ける。  

    自治区、自治州、自治県はいずれも民族自治地方である。  

    国は必要に応じて特別行政区を設置する。  

    現在、全国に省クラス行政区域が34あり、その内訳は直轄市4、省23、自治区5、特別行政区2である。  

     

  直轄市  

      

  北京  京と略称。華北平原の北西部の端に位置している。1928年から市制が敷かれた。現在は16区、2県を管轄する中央直轄市である。面積は16800平方キロ。統計データによると、2007年の常住人口(半年以上在住の人口)は1633万人で、前年末より52万人増え、年末の戸籍上の人口は12133000人で、前年末より157000人増えた。  

  北京は中国の政治の中心であり、文化、科学、教育の中心で交通の中枢でもある。北京は内外に名を馳せる景勝地でもあり、主な名所旧跡は故宮、天壇、万里の長城、十三陵、頤和園、香山などがある。  

      

  上海  滬と略称。東部海岸の中部、長江の河口に位置している。1927年に市制が敷かれた。現在は中央の4つある直轄市の一つで、18区と1県を管轄している。面積は6340.5平方キロ。2007年末の戸籍上の人口は13788600人、常住人口は1858万人にのぼる。  

  上海は中国最大の都市であり、世界の大都市の一つでもあり、また中国最大の工業都市、商業の中心、金融の中心、科学技術基地でもある。  

      

  天津  津と略称。華北平原の北東部に位置し、海河の5本の支流がここで合流して渤海に流れ込んでいる。1928年に市制が敷かれた。現在は中央直轄市で、15区と3県を管轄している。面積は11900平方キロ。2007年末の常住人口は1115万人、戸籍上の人口は9591000人。    

  天津市は華北地区最大の工業都市であり、華北地区の重要な商業の中心で港湾都市でもある。名所旧跡は主に市内にある寧園、天后宮、大沽口砲台、薊県の独楽寺、黄崖関の古代の長城、「京東第一の山」といわれる盤山風景区がある。  

      

  重慶  渝と略称。西南地区の東部、長江の上流に位置している。1997年に中央直轄市となった。重慶市は15区、4県クラス市、17県、4自治県を管轄している。面積は82300平方キロ。2007年末の常住人口は2816万人。  

  重慶市は総合的工業都市であり、枇杷山、縉雲山、川江などの有名な観光地がある。  

     

    

      

  河北省  冀と略称。華北平原、渤海沿岸、首都北京の周辺地域、天津の近くに位置している。面積は187700平方キロ。2007年末の総人口は69432000人。省都は石家荘市。  

     

  山西省  晋と略称。華北平原、太行山脈の西側に位置している。面積は156000平方キロ。2007年の総人口は33925800人。省都は太原市。  

      

  遼寧省  遼と略称。東北地区の南部に位置し、南は黄海と渤海に臨み、東は朝鮮民主主義人民共和国と国境を接している。面積は145900平方キロ。2007年末の総人口は4298万人。省都は瀋陽市。  

      

  吉林省  吉と略称。東北地区の中部に位置し、南東部はロシア、朝鮮民主主義人民共和国と国境を接している。面積は187400平方キロ。2007年末の総人口は27298200人。省都は長春市。  

      

  黒竜江省  黒と略称。東北地区の最北部に位置し、東部と北部はロシアと国境を接している。面積は46万平方キロ余り。2007年末の総人口は3824万人。省都はハルビン市。   

     

  江蘇省  蘇と略称。長江、淮河の下流、黄海の沿岸地域に位置している。面積は102600平方キロ。2007年末の常住人口は76245000人。省都は南京市。  

      

  浙江省  浙と略称。華東地区の中部、東中国海の沿岸地域に位置している。面積は101800平方キロ、海岸線の全長は6486キロで、中国で第1位であり、面積500平方メートル以上の島嶼が3061あり、中国で島嶼が最も多い省である。2007年末の常住人口は5060万人。省都は杭州市。  

      

  安徽省  皖と略称。華東地区の北西部に位置し、長江、淮河に跨っている。面積は139600平方キロ。2007年末の戸籍上の人口は66757000人、省都は合肥市。  

       

  福建省  閩と略称。東南沿海地域に位置し、海を隔てて台湾省と向かい合っている。陸地面積は121400平方キロ、海域面積は136300平方キロ、海岸線の長さは3324キロで全国第2位。2007年末の総人口は3581万人、省都は福州市。  

     

  江西省  と略称。長江中下流の南岸地域に位置している。面積は166900平方キロ。2007年末の総人口は43684100人。省都は南昌市。   

     

  山東省  魯と略称。黄河の下流に位置し、黄海と渤海に臨んでいる。面積は156700平方キロ。2007年末の総人口は9367万人。省都は済南市。  

     

  河南省  豫と略称。黄河の中下流に位置し、昔は「中原」地方といわれた。面積は167000平方キロ。2007年末の総人口は9869万人。省都は鄭州市。  

     

  湖北省  鄂と略称。長江の中流、洞庭湖の北側に位置している。面積は185900平方キロ。2007年末の総人口は6070万人。省都は武漢市。  

      

  湖南省  湘と略称。長江中流の南岸地域に位置しているが、大部分は洞庭湖の南側にある。面積は211800平方キロ。2007年末の総人口は68057000人。省都は長沙市。  

     

  広東省  粤と略称。南嶺山脈の南側、南中国海の沿岸地域に位置している。面積は178000平方キロ。2007年末の常住人口は9449万人。省都は広州市。  

      

  海南省  瓊と略称。行政地域は海南島、西沙群島、南沙群島、中沙群島などの島嶼暗礁とその海域を含む。陸地面積は35000平方キロ、海域面積は約200万平方キロ、そのうち海南島の面積は33900平方キロで、台湾に次いで中国で2番目に大きな島であり、南沙群島の曾母暗沙は中国最南端の領土である。2007年末の常住人口は845300人。省都は海口市。  

     

  四川省  川または蜀と略称。西南地区、長江の上流地域に位置している。面積は485000平方キロ。2007年末の総人口は8127万人。省都は成都市。  

      

  貴州省  黔または貴と略称。西南地区の雲南貴州高原の東部に位置している。面積は176100平方キロ。2007年末の総人口は39754800人。省都は貴陽市。  

      

  雲南省  滇または雲と略称。中国南西部の辺境地域に位置し、ミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接している。面積は394000平方キロ。2007年末の総人口は4514万人。省都は昆明市。  

     

  陝西省  陝または秦と略称。黄河中流地域に位置している。面積は205600平方キロ。2007年末の常住人口は3748万人。省都は西安市。  

      

  甘粛省  甘または隴と略称。西北地区の黄河中流地域に位置し、北西部の一部はモンゴルと国境を接している。面積は454400平方キロ。2007年末の常住人口は26171600人。省都は蘭州市。  

       

  青海省  青と略称。西部地区の長江と黄河の上流地域に位置している。面積は721200平方キロ。2007年末の総人口は5516000人。省都は西寧市。  

      

  台湾省  台と略称、中国東南沿海の大陸棚に位置する中国最大の島であり、総面積は36188平方キロ、台湾本島と蘭嶼、緑島、釣魚島など21の付属島嶼および澎湖列島の64の島を含み、そのうち台湾本島の面積は3万5873平方キロ。台湾の関係方面の統計データによると、200711月現在の総人口は22946000人。省都は台北市。  

     

  自治区  

      

  内蒙古自治区  内蒙古と略称。中国北部の辺境地域に位置し、北はモンゴル、ロシアと国境を接している。面積は1197500平方キロ。2007年末の総人口は2405600人、そのうち蒙古族の人口は4298900人。区都はフフホト市。  

      

  広西チワン族自治区  桂と略称。華南地区の西部に位置し、南は北部湾に臨み、南西部はベトナムと国境を接している。面積は237700平方キロ。2007年末の総人口は5002万人。省都は南寧市。  

      

  チベット自治区  蔵と略称。南西部辺境地域の青海チベット高原に位置し、インド、ネパール、ブータン、ミャンマーなどの国と国境を接している。面積は1228400平方キロ。2007年末の総人口は2841500人。区都はラサ市。  

     

  寧夏回族自治区  寧と略称。西北地区の黄河中流地域に位置している。面積は62800平方キロ。2007年末の総人口は6102500人。区都は銀川市。  

      

  新疆ウイグル自治区  新と略称。北西部の辺境地域に位置し、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インドなどの諸国と国境を接している。面積は1664900平方キロで、中国で面積が最大の省クラス行政区域である。2007年末の総人口は20951900人。区都はウルムチ市。  

     

  特別行政区  

      

  香港特別行政区  港と略称、香港島、九竜、新界とその付近の島嶼を含み、総面積は1103.72平方キロ。香港特別行政区政府統計処の統計データによると、20076月現在の香港の総人口は6921700人。  

       

  澳門特別行政区  澳と略称。珠江河口西岸の半島に位置し、付近の仔島、路環島を含み、総面積は27.3平方キロ。200711月現在の総人口は約531000人、公用語は中国語とポルトガル語。中国語を日常用語とする居住人口は97%を超え、ポルトガル語を使う人口は0.7%で、残りは英語、フィリピンのタガログ語やその他の言語を使っている。  

   

  

 
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