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2024年日中新春互礼会における薛剣総領事の挨拶
2024-01-12 13:40

  初春のお祝いから始めたいところなのですが、まず能登半島地震・津波で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、また被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。まだ救助活動が続いていますが、一日も早く被災地の復旧・復興を心からお祈り申し上げます。

  さて、この度、日中新春互礼会の開催にあたり、中国駐大阪総領事館を代表し、日頃より中日両国の経済貿易協力や友好交流事業にご尽力くださっている皆様に、謹んで新年のご挨拶を申し上げますとともに、心から感謝の意を表します。

  昨年は、中日平和友好条約締結45周年という節目の年であり、コロナ収束後の最初の年でした。中日双方がともに条約締結の初心に立ち返り、平和友好の信念を固め、積極的に一連の対話を展開し、各分野での交流と協力を回復させ、強化してきました。11月には、習近平主席と岸田首相がサンフランシスコで会談し、戦略的互恵関係の全面的推進について改めて確認し、両国の交流・協力の深化について一連の重要なコンセンサスに達し、中日関係の改善・発展に、明確な方向性を示して下さいました。

  昨年末、私は中央外事工作会議及び在外使節工作会議に参加するために一時帰国して参りました。習近平主席が会議で重要演説を行いました。日本メディアでの報道は少し見られましたが、注目度が高くなく、しかもネガティブで断片化したものが殆どでした。中国対外政策と中日関係の行方に深く関わるこの度の会議ですので、この場をお借りして、会議の内容について皆様に紹介させて頂きたいと思います。

  会議では、これまでの10年間即ち新時代に入ってから中国外交の成果の全面総括と今後中長期の展望がなされ、新時代中国の外交指針、戦略配置と基本的方向性と主要任務などが示されました。新時代の中国外交は一連の歴史的成果を収めており、そのうち最も核心的な内容としては、人類運命共同体構築の提唱と実践であります。習近平外交思想の核心理念として、人類運命共同体の構築は、この10年間で中国一国の提唱から国際的合意へと拡大し、素晴らしいビジョンから豊かな実践へと転換し、理念的主張から科学的体系へと発展を遂げてきました。人類運命共同体の構築は、今や中国の特色ある大国外交の崇高な目標と鮮明な旗印となっており、今後5年から10年、ないしそれ以上の長い期間にわたり、中国外交はこれを軸に展開されていくことになったのであります。言うなれば、整った科学的理論体系として、人類運命共同体の構築は、恒久平和・普遍的安全・共同繁栄・開放と包容・クリーンで美しい世界の建設をその目標とし、共に協議・共に建設・共に享受のグローバル・ガバナンスの推進をその道筋とし、平和発展・公平正義・民主自由という全人類共通の価値の実践をその導きとし、協力ウィンウィンを核心とする新型国際関係の構築をその支えとし、そして、グローバル発展イニシアティブ・グローバル安全イニシアティブ・グローバル文明イニシアティブの実行をその戦略指針とし、「一帯一路」の質の高い共同建設をその実践プラットフォームとして、世界各国と手を携えて試練に挑み、共同繁栄を実現させ、世界が平和・安全・繁栄・進歩の明るい未来へ向かうよう推進していくものであります。

  100年に一度の大変革が、これまでにない形で展開されいます。国際情勢は錯綜し、リスクや試練が後を絶たない状況です。我々は常に自信と自立を堅持し、責任ある大国としての責務を果たし、東洋の知恵によって人類の進歩にしかるべき貢献をして行きます。我々は常に開放と包容を堅持し、グローバル・パートナーシップのネットワークを強化、拡大し、ともに人類文明の発展と進歩を推進していきます。我々は常に公平正義を堅持し、平等で秩序ある世界の多極化を提唱し、大小を問わず全ての国が、多極的な国際体系の中でしかるべき役割を発揮できるように努めていきます。我々は常に協力・ウィンウィンを堅持し、普遍的恩恵を齎す包摂的な経済グローバル化を積極的に推進し、各国の人々が現代化において、ともに平坦な道のりを歩めるよう推進していきます。日本国内では中国を巡り諸説がありますが、中国は平和創造国家・人類大同を追求する国として、世界大多数の国々で広く知れ渡り、大いに期待されており、今後とも世界の文明発展により積極的でより大きな貢献をしていきます。

  平和発展・協力ウィンウィンの世界を作り上げるには、経済の発展が欠かせません。新時代に入り、中国経済は歴史的躍進も実現しています。2013年~2022年、中国のGDPは倍増の121兆元(日本円にして2420兆円)に達し、2023年は126兆元(日本円にして2520兆円)となる見込みで、世界第2位の座を守り、世界経済の成長への寄与度は年平均で30%を超えています。3年間にわたるコロナ期間においても、中国経済の年平均成長率は4.5%、世界平均を約2.5ポイントも上回っています。最近OECDは2023年の中国経済の成長予測を5.2%に、IMFは5.4%に上方修正し、中国経済に「信任票」を投じていました。日本の新聞、テレビなどではしょっちゅう中国経済が危ないと言って、あたかも明日にでも崩れ、沈没するかのような非常に現実離れで行き過ぎた論調がありますが、全く心配ご無用です。日本の皆様には、中国の発展を客観的かつ理性的に捉え、前向きで善意のある対中認識を確立し、中国式現代化がもたらす新たなビッグチャンスを果敢につかみ取り、両国の互恵協力や共同繁栄の深化を推進していって頂きたいです。

  日中経済貿易センター並びに大阪府日中友好協会は、その設立以降、中日友好関係の深化、両国民の相互理解の増進に、多大なご貢献をなされました。この場をお借りし、皆様に心からの敬意を改めて表します。中日関係は今、極めて重要な時期に差し掛かっています。新しい一年、友好の伝統をより一層発揚し、中日両国の経済貿易協力や民間友好交流を新たな段階へと押し上げて行ければと願っています。日本各界では今、新時代の中国に対する基本的な認識や理解が著しく欠如し、それが中日関係の改善・発展の大きな制約となってしまっています。ここで改めて、私は声を大にして訴えたいです。日本の皆様、どうか、もっと積極的に中国を訪れ、ご自身の目と足で、ダイナミックな新時代中国の発展と変化を体感してください!中日共通の諺には、「百聞は一見にしかず」とありますが、「百見は一行にしかず」とある友人から頂いた言葉を付け加えて強調して皆様のご来訪を心待ちしています。中国駐大阪総領事館としては、ご来場の皆様とともに一層努力し、辰年の中日関係に、天に昇る龍のように力強く新しい息吹を吹き込んでいきたい決意です。

  最後に、日中経済貿易センター、そして大阪府日中友好協会のますますのご発展を祈願し、ご来場の皆様のご健康とご多幸をお祈りして、新年のご挨拶と致します。本日は誠におめでとうございます。ありがとうございました。


 
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